
障害年金に上乗せされる「年金生活者支援給付金」とは?対象者・金額・手続きを解説
「年金生活者支援給付金」という制度をご存じでしょうか。
これは、障害年金とは別に、一定の条件を満たす方に支給される給付金です。障害基礎年金を受給している方であれば対象になりえる制度ですが、制度自体があまり知られていないこともあります。
このコラムでは、年金生活者支援給付金の仕組み、令和8年度の支給額、対象となる条件、手続きの流れを解説します。
年金生活者支援給付金とは
年金生活者支援給付金は、2019年(令和元年)10月の消費税率引き上げに合わせてスタートした制度です。年金を含めた収入が一定以下の方に対して、年金に上乗せして支給されます。
給付金には3つの種類があります。
老齢年金生活者支援給付金(老齢基礎年金の受給者向け)
障害年金生活者支援給付金(障害基礎年金の受給者向け)
遺族年金生活者支援給付金(遺族基礎年金の受給者向け)
障害年金を受給中の方に関係するのは、2つ目の障害年金生活者支援給付金です。
障害年金生活者支援給付金の対象条件
障害年金生活者支援給付金を受け取るには、次の2つの条件を両方満たしている必要があります。
条件1:障害基礎年金を受給していること
障害基礎年金の1級または2級を受給している方が対象です。障害厚生年金のみを受給している方(3級のみの方など)は対象になりません。
条件2:前年の所得が一定額以下であること
前年の所得額が「4,794,000円+扶養親族の数×38万円」以下であることが条件です(令和8年4月現在)。扶養親族の種類によって加算額が異なる場合があります。
なお、障害年金などの非課税収入は、この判定に用いる所得には含まれません。障害年金以外に大きな収入がなければ、多くの方がこの所得要件を満たすことになります。
令和8年度の支給額
年金生活者支援給付金の金額は、物価の変動に応じて毎年度改定されます。令和8年度は令和7年度から3.2%の増額改定となりました。
令和8年度の障害年金生活者支援給付金(月額)
1級:7,025円
2級:5,620円
年額に換算すると、1級の方は約84,300円、2級の方は約67,440円になります。障害基礎年金に加えてこの金額が上乗せされるため、年間の受給額に少なからず差が出ます。
参考:令和7年度との比較
令和8年度 | 令和7年度 | |
|---|---|---|
1級 | 7,025円 | 6,813円 |
2級 | 5,620円 | 5,450円 |
1級で月額212円、2級で月額170円の増額です。金額としては大きくありませんが、毎年度物価に連動して改定されるため、受給中の方は年度ごとの変更を確認しておくとよいでしょう。
手続きはどうすればいい?
年金生活者支援給付金の手続きは、状況によって異なります。
新たに障害基礎年金の受給が決まった方
障害基礎年金の裁定請求と同時に、年金生活者支援給付金の請求書を提出できます。年金事務所で障害年金の手続きをする際に案内されることが多いため、その場で一緒に手続きを進めるのがスムーズです。
すでに障害基礎年金を受給中で、まだ給付金を請求していない方
日本年金機構から届く案内のはがきに必要事項を記入して返送する方法が一般的です。届いていない場合や紛失した場合は、年金事務所に問い合わせることで手続きできます。
すでに受給中の方
一度認定されると、毎年届出をする必要はありません。ただし、所得が基準を超えた場合は支給が停止されることがあります。また、年金の等級が変わった場合(たとえば2級から1級に変更など)は、給付金の金額も自動的に変更されます。
知っておきたい3つのポイント
1. 障害年金とは別の制度
年金生活者支援給付金は、障害年金の一部ではなく、別の制度として支給されます。振込も障害年金と同じ口座に同じタイミングで行われますが、通知書では別の項目として記載されます。
2. 非課税
年金生活者支援給付金は非課税です。受け取っても所得税や住民税の課税対象にはなりません。また、この給付金自体は翌年の所得の計算にも含まれません。
3. 請求しないと受け取れない
条件を満たしていても、請求手続きをしなければ支給されません。「条件に当てはまるなら自動的にもらえる」わけではないため、まだ手続きをしていない方は確認してみてください。
まとめ
年金生活者支援給付金は、障害基礎年金を受給中の方が追加で受け取れる可能性のある給付金です。
障害基礎年金1級または2級を受給していること
前年の所得が基準額以下であること
この2つの条件を満たしていれば対象になりえます。令和8年度の支給額は、1級が月額7,025円、2級が月額5,620円です。
障害年金の手続きに比べると請求自体はシンプルですが、請求しなければ受け取れない制度です。